さようなら、リンリン--。唯一の「日本のパンダ」として親しまれていた上野動物園のジャイアントパンダ、リンリン(雄、22歳7カ月)が30日、高齢のためこの世を去った。日中友好の「親善大使」として2頭が上野に来園してから37年目。かつて最大で5頭がいた上野動物園から、ついにパンダの姿が消えた。大型連休で訪れた子どもたちは寂しさを抑えながら「ありがとう」と冥福を祈った。【酒井祥宏、市川明代、神澤龍二】
上野動物園によると、世界で登録されている雄のジャイアントパンダ104頭の中で5番目に高齢だった。05年にパートナーのシュアンシュアンがメキシコに帰国してからは1頭で飼育されていた。
小宮輝之園長は記者会見で「(メキシコへの渡航など)世界で一番飛行機に乗ったジャイアントパンダではないか。苦労をかけた。苦しんだ様子はなく安らかだった。冥福を祈りたい」と話した。解剖の結果、腹には37リットルの水がたまっており、橋崎文隆・動物病院係長は「よく持ちこたえてくれた」と話した。
00年から7年間、飼育を担当した元飼育員、佐川義明さん(61)は「おとなしいけど人懐っこく、子どもたちに人気があった。年齢とともに気弱になり、元気がなくなっていった」と振り返る。一番の思い出は、01年に人工授精のためメキシコに行ったこと。おりの中で不安そうにウロウロする姿が今も目に浮かぶという。最後に姿を見たのは3日前。食欲がないと聞いていたため、様子を見に行くと、やつれた姿が目に止まった。「大丈夫か?」。声をかけてもこちらは向かなかった。「覚悟は出来ていたが、もっと生きて欲しかった」と残念がった。
リンリンのパンダ舎前には30日朝、死んだことを知らせる看板が立てかけられ、リンリンを見に訪れた家族連れらが足を止め、がっかりした表情を見せた。おりの中にはリンリンの遺影とともに花やササがささげられ、献花台も設けられた。

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